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イベントレポート

芸術科演劇専攻2年(47期) ストレートプレイコース試演会


『ダチョウの一撃 -ダリオ・フォーの小作品集-』
作:ダリオ・フォー 演出:井田邦明
11月9日(土)・10日(日) 芸術科演劇専攻ストレートプレイコース試演会『ダチョウの一撃 -ダリオ・フォーの小作品集-』を上演しました。

芸術科演劇専攻二年生 ストレートプレイコース 試演会『ダチョウの一撃 -ダリオ・フォーの小作品集-』が終了致しました。イタリアのノーベル賞作家、ダリオ・フォーの短編戯曲を、井田邦明先生の情熱的な演出指導のもと、学生たちは奮闘し、現代日本の抱える深刻な問題をシニカルでウィットに富んだ風刺劇として仕上げました。

物語は一人の女優とプロデューサーの会話から始まります。舞台はおそらくテレビ番組の撮影現場。そして、女優はプロデューサーに提案します。「ねえ、老人が窓から放り出される番組を撮らない?」。プロデューサーは言います「強烈な風刺で昨今の深刻な老人問題をお茶の間の一般市民に考えてもうらおうってのか? だめだめ、そんな過激なやり方はお茶の間の連中には受け入れられないよ」。女優は再び言います「そうやって、視聴者を馬鹿にして問題の本質から目を背けるわけね。いい加減あきあきだわ!」と、女優はこの過激な風刺劇の始まりを告げます。その号令と共に、次々と現れるグロテスクな身なりの一般市民たち。「怪物」という名の一般市民たちはバベルの塔の上で過激なドラマを展開していきます。老人問題、少子化、停電、原発。まさに現在の日本が抱える深刻な問題をダリオ・フォーの短編喜劇を通して紡いでいくその学生のコミカルでありながら、社会問題と真摯に向き合う姿はとても印象的でした。

終劇間際、欲深き「怪物」である一般市民たちは、バベルの塔の最上階で太陽に焼かれ、消滅していきます。そこから復活し、立ち上がってくる彼らの姿は「怪物」ではなく「若者」。これからの日本を支えていく若者として生れ変ったのでしょうか? 一見コメディにみえながらも深いテーマ。まるで地中海の青さと、その深さを感じさせるようなイタリアの風が吹く作品に仕上がっていました。井田先生、スタッフの方々、ありがとうございました。学生諸君、本当にお疲れ様でした!

ストレートプレイコース試演会  『ダチョウの一撃』


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