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イベントレポート

専攻科演劇専攻試演会 『僕の東京日記』


『僕の東京日記』
作:永井愛 演出:越光照文
6月15日(土)~6月16日(日)、専攻科演劇専攻試演会として『僕の東京日記』を上演しました。

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レポート

 6月15日(土)~6月16日(日)、桐朋学園芸術短期大学専攻科演劇専攻試演会として『僕の東京日記』が上演されました。
 ときは1960年代後半から1970年代の前半ぐらい。東京の高円寺という街の、若者たちがたむろする下宿の1階の食堂と2階の部屋を舞台に、若者たちの群像劇が繰り広げられます。学生運動やヒッピーなど、高度成長期という躍動する時代を背景として、そのなかで迷いながら、将来の人生への葛藤や苦悩を含みつつも、さわやかに恋や夢など未来への希望を語ります。

1990年代に描かれた、劇作家・演出家、二兎社を主宰する永井愛の「昭和三部作」の一つとなったものです。平成に入った1990年代に60年代をふりかえった作品を、令和というさらに一つ元号が変わった現在、もしくは2010年代の終わりのいま、再び演出されます。演出家は本学学長でもある越光照文でした。
もちろん、いまの学生たちにとっては、60年代の若者文化は遠いものです。しかし、その時代への思いを馳せながら、必死に演じる姿は、まるで時代が移り変わろうとも、変わらない部分を浮かび上がらせました。不安を抱えつつも、将来を生きようともがく姿は同じかもしれない、と。
スナックで働きながら俳優を目指す女性。いまは俳優志望の女性であっても、普通のアルバイトをするようになりましたが、夢を目指す姿に違いはないでしょう。母親との関係から独り立ちをしようとする学生は、下宿先でいろいろな仲間に出会って、ジレンマに陥りながらも、少しずつ成長していこうとします。たとえ上手くいかないことがあっても、出会いを繰り返して成長する本質は変わらない。また、それをいまの大学生が演じることによって、まったく古びていないことを示しました。

認定専攻科という通常の大学ならば3,4年生に該当する学生たちが出演した本作は、同世代ということもあって、みずみずしい演技へと結実しました。

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