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イベントレポート

専攻科演劇専攻試演会 『8月のオーセージ』


専攻科演劇専攻試演会
『8月のオーセージ』
作:トレイシー・レッツ 演出:田中壮太郎
6月19日(土)~6月20日(日)、専攻科 演劇専攻 試演会として『8月のオーセージ』を上演しました。

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レポート

アメリカの南部の田舎町、オーセージ郡の大家族をめぐる物語です。すでに日本でも上演されたことがある作品ですが、かなりの難しさを要求する作品といっていいでしょう。南部ならではの共同体と因習、アメリカの家族たちの血をめぐる物語は、日本に住むものにとってはなかなか馴染みのないものです。少なくとも、それは大都市圏をめぐる物語ではないからです。しかし、学生たちはその戯曲に必死に格闘して、成果をあげました。

それは、高みであると同時に、翻訳された作品をいかに私たちの問題として、もしくは私たちにしかできない作品にして上演するかといったものでした。もちろん、彼らにとっては、はるかに遠い世界の出来事であったとしても、かすかであれ、いくつかの問題を自身の問題へとひきつけて、その暴力性や血の近さ、哀れみや慈しみ、そして愛憎なかばする、いとおしさの背反するさまを演じきったといえるでしょう。3時間をこえる大作でありながらも、大家族の食卓、祈り、喧騒など、さまざまなシーンによって、まったく飽きない作品となりました。

また、6月のオープンキャンパスの一環としても、この作品は公開されて、一般観客の人たちにも見てもらう機会を得ました。学生たちにとっては、見慣れた観客を超えて、厳しい目にさらされる機会となったでしょう。また、この作品が、わかりやすい、受けやすい、見やすいものでないことは、率直に、正直に演劇の高みを見てもらうことを目指したものだからです。いわば、この作品は、本学の50年以上にわたる演劇教育が目指すところを見てもらうことに繋がるものです。

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