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桐朋学園芸術短期大学の魅力


演劇、音楽の専門教育と
専攻の枠を超えて学ぶ創造的な芸術教育
専門性とともに広い視野から芸術を捉える力を身につけるための教育

目まぐるしく変化し続ける現代社会において、とくに世界と直接対峙する場面では、高度な専門性とともに次々に生起する現象を総合的に判断し、適切に処理していく力が求められます。これは、その価値を効率性という基準からのみ測れない芸術の分野においても変わりません。さまざまな情報が世界規模で瞬時に行き交い、人びとの嗜好や感性も絶えず変化していく芸術の世界では、表現者の基本である技術の練磨に加え、個の能力を総数以上にできる力が求められ、そしてこの傾向は、今後ますます強くなっていくと思われます。

桐朋学園芸術短期大学は、少人数教育の強みを活かし、一人ひとりの可能性を引き出しながら、創造の現場に直結する実践的な教育をこれまでおこなってきましたが、近年ますます加速化するこのような傾向に対応するため、それぞれの専門教育を専攻の学生に制限するのではなく、より自由に専攻間を横断して学べるカリキュラムを準備しました。これにより、演劇を専攻する学生であれば、舞台で役を演じるときに音楽の意味、照明や音響の効果など、演劇だけの勉強では得られない洞察力を身につけることができるでしょうし、舞台制作を学ぶ学生であれば、舞台で表現する者の繊細な意識の流れを感じとることによって、その表現力を倍加する光や音、そして構成をあたえることができるはずです。

桐朋なら、選べる。ふたつの未来。

短期集中で社会に羽ばたく。専攻科でさらに学びを深める。
「2年」の節目で、この先の道をどう進むか、もう一度自分と向き合う機会をもてるのも桐朋ならでは。
「芸術科2年+専攻科2年」だけでなく、長期履修制度を活用したり、芸術科卒業後に一度外部で活動してから専攻科に進学したり、研究生や科目等履修生としてさらに長期にわたって学んだりと、さまざまな学び方を選べるところも強みです。

教育の特徴

「認定専攻科」について

本学専攻科(演劇専攻・音楽専攻)は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構により、「大学教育に相当する水準の教育を行っている」との認定を受けています。所定単位を修得し、同機構の審査に合格することで、四年制大学を卒業した場合と同じ「学士」の学位を取得することができます。

演劇と音楽のコラボレーション

2専攻を有する本学ならではの教育として、分野の垣根を超えた作品づくりへの取り組みがあります。演劇専攻の試演会や卒業公演、音楽専攻のオペラ実習には両専攻の学生が参加して質の高い舞台を創り上げています。これらの取り組みは学びの相乗効果を生み出すとともに、舞台作品として外部からも高い評価を得ています。

専攻間を横断して学べるカリキュラム

芸術を捉える視野と表現の幅を広げるため、他専攻の授業も選択できるカリキュラム構成になっています。演劇を学ぶ学生がクラシック音楽の知識を深めたり、音楽を学ぶ学生が身体表現の大切さを知ることにより、専門分野でさらに創造的な活動が可能になります。

教養科目/単位互換制度について

めまぐるしく変化し続ける現代社会においては、高度な専門性とともに未知の出来事への適応 力や柔軟性が必要です。本学では、専門的な知識の習得と技術の練磨に加え、「キャリア教育」「一般教養」「語学」の3つから成る教養科目を設置。身につけた専門性を社会で発揮するための力を養います。また、桐朋学園大学との単位互換制度もあります。

演劇専攻の注目授業

劇上演実習

2年生の後期では、試演会や卒業公演といった、一般公開する公演がカリキュラムの柱となります。「本読み」から「立ち稽古」、「舞台稽古」、そして「本番」と、プロの演出家による徹底した稽古が40日間にもおよび、完成度の高い上演を可能にしています。俳優として観客の前で演じることで演技の意味を理解し、役を完成させることを目指します。また、大道具や照明、衣装などすべてのスタッフワークを学生が行うのも本学の特徴。プロの演劇人として舞台芸術のあらゆる側面を学んでいきます。

演劇特別演習

テレビや舞台でもおなじみの鴻上尚史教授による授業です。
演技をリアルに、そして楽しくできるようになることを、受講生によるチームが、それぞれ短い台本を作り、それを演じることで身につけていこうとするものです。演技をささえる要素の発見とそのさまざまな表現の仕方が具体的なレッスンをとおして感じられるようになります。

特別講義

専攻科生のための開設科目。演劇人としての幅広い教養を身につけることを目的に、一流の表現者および研究者を講師に招いて行われる講義です。学期ごとにテーマが設定され、毎週講師の顔ぶれが変わります。

国を越えて アジアの芸術 *2021年度特別講義

  • 佐藤信(劇作家、演出家、座・高円寺芸術監督)
  • 流山児祥(演出家、日本演出者協会会長)
  • 石川樹里(日韓演劇コーディネーター、翻訳家)
  • 張春祥(京劇俳優、新潮劇院主宰)
  • 鈴木勉(国際交流基金フィリピン)
  • 花崎攝(応用演劇、シアター・プラクティショナー)
  • 千徳美穂(タイ演劇コーディネーター、東京芸術祭)
  • 林于竝(国立台北芸術大学准教授)
  • 鄭義信(演出家、劇作家)
  • 滝口健(シンガポール演劇、ドラマトゥルク、世田谷パブリックシアター)
  • 宗重博之(プロデューサー)
  • 石井達朗(ダンス評論家、慶應義塾大学名誉教授)
  • 瀬戸宏(中国演劇、摂南大学名誉教授)

ミュージカル・トレーニング

歌うための身体の使い方、筋肉の使い方、呼吸、発声等を具体的に学んでいきます。そして課題曲の内容に関する理解を深め、感じ取ったものを表現しながら歌います。レッスンを積極的につみ重ねることで、ミュージカルを演じるために必要な歌唱力・表現力が養われます。
なお、ミュージカル・トレーニングの試験は、発表会形式で行われます。

ヘアメイク実習

役者にとって、メイクアップは必ず身につけたい技術の1つです。桐朋では、実際の現場で活躍するトップヘアメイクアーティストの講師の先生をお呼びして、舞台用のヘアメイク技術を学ぶことができる講義を設けています。

音楽専攻の注目授業

充実したアンサンブル科目

優れた音楽家とは、その技量に支えられた表現力が高いだけでなく、他の演奏者と合わせる能力にも優れています。そのため音楽専攻では、個人レッスンと同じく、アンサンブル教育にも特に力を入れて、さまざまなアンサンブル科目を提供しています。

声楽アンサンブル

授業では、日本人作曲家による混声合唱曲を取り上げ、日本語の美しさとハーモニーの関係を深く探っていきます。11月の定期演奏会では、授業成果を発表する場にもなっており、立派なホールでの発表もまた経験になります。

室内楽

ピアノ四重奏曲、五重奏曲を中心に、弦楽器とピアノ、それぞれの楽器の特徴や奏法を学びながらアンサンブル能力の向上を目指します。授業はマスタークラス形式で行われ、アンサンブルを創り上げるプロセスに立ち会うことで、楽曲への理解とともにその表現に必要な技術やアンサンブルの心構えを学んでいきます。

管楽アンサンブル

木管五重奏を中心としたアンサンブルを学んでいきます。また、各種楽器の特性を理解し、大編成でも対応できる合奏能力の育成に主眼を置いて授業は行われていきます。

オーケストラ・スタディ

オーケストラの基礎を習得することを目指します。全体のアンサンブルだけではなく、パートごとの演奏や一人ひとりに演奏を課しての、きめ細かい指導が行われます。特にオーケストラで演奏する場合には、個人の技量に加え、全体を理解する力も必要となるため、受講生にはスコアによる楽曲理解も求められます。

ギターアンサンブル

授業では、古典から現代までのギターによるアンサンブル作品や編曲のほか、受講生による作品や編曲作品を取り上げます。各自が自分のパートを暗譜するまで練習し、その後、数回の授業の中でまとめていきます。

邦楽アンサンブル

独奏楽器として発展してきた邦楽器だけに、アンサンブルの分野ではその表現の可能性が期待されます。授業では、邦楽器のために書かれた現代作品を取り上げ、その後、江戸時代の代表的作品を現代の視点から捉えながら、アンサンブルを試みていきます。出すべき音やその響かせ方、間の取り方など、邦楽器の特色を理解した表現方法を学んでいきます。

アウトリーチ演奏活動

アウトリーチとは、英語で「手を伸ばす」ことを意味する言葉です。福祉などの分野における地域社会への奉仕活動、公共機関の現場出張サービスなどの意味で多用されますが、音楽でのアウトリーチとは、演奏家が学校や施設などに出向いて、普段の生活空間(教室や音楽室)で演奏会やワークショップを行うことを意味します。本学では、このアウトリーチ活動に力を入れており、講義・演習系の授業を設置しているほか、福島県南会津町教育委員会と提携し、定期的に地元の小学校で音楽鑑賞教室を行っています。普段なかなか生演奏を聴くことのできない環境に置かれたこどもたちに、心豊かな経験の1つとして感じてもらえたら、と現地に出向き、様々な楽器編成での演奏活動を行っています。本学の学生たちにとって音楽を学ぶ意義を強く感じることのできる貴重な体験の場になっています。また、本学では、学内の演奏会のみならず、このような学外での発表の機会もさまざま設けていることが、彼らのモチベーションにもつながっています。

西洋音楽と日本音楽、そして演劇とのコラボレーション

西洋音楽と日本音楽の間に垣根をつくらないのが音楽専攻の教育方針。コラボレーションは、音楽専攻のなかだけではなく、演劇専攻との間でも積極的に行われ、演劇専攻の試演会や卒業公演では演奏者として参加することもあります。桐朋ならではの音楽と演劇の融合として評価されています。

2014年度の音楽専攻、演劇専攻の二専攻合同公演(兼・専攻科演劇専攻修了公演)は、井上ひさし氏原作の『天保十二年のシェイクスピア』(演出:演劇専攻宮崎真子教授)を上演しましたが、その劇中歌を音楽専攻学生による作曲チームが担当しました。本学音楽専攻には作曲専修はないのですが、第二実技で作曲を習っている学生を中心に、作曲家後藤浩昭氏の指導の下で全16曲を作曲し、俳優の歌稽古の段階から積極的に参加し、演劇専攻、音楽専攻一体となって見事な舞台を仕上げました。

身体表現を通して音楽表現の幅を広げる

身体と表現の関係は深く、身体の動きひとつで表現は大きく変わります。音楽表現の幅を広げるためには、身体をいかに自由に音楽にのせることができるかが重要です。音楽専攻では、とかくおろそかになりがちな身体表現にも着目し、1年次に「バロック・ダンス」を必修としています。

桐朋学園大学音楽学部への三年次編入制度

今まで二年次への編入が行われていた桐朋学園大学音楽学部への編入制度でしたが、三年次編入が可能となる試験が2013年度よりスタートしました。この制度により、残念ながら音楽学部の入学試験に失敗してしまった方も、短大音楽専攻に入学し、三年次編入を目指すことにより、再度、音楽学部を4年で卒業するチャンスが生まれます。

短大卒業時の進路としては、音楽学部への編入だけでなく、短大専攻科への進学、留学等、幅広い選択肢があり、2年ごとに進路を見直すことができるという短大の特徴を大いに活かすことができます。

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