専攻科
実技のレッスンを重視した高度な音楽教育
「音楽専攻」専攻科の概要・カリキュラムについてご案内します。
専攻科 音楽専攻の概要
本科の教育課程を発展させ、専門能力をさらに深める2年間
専攻科音楽専攻は、芸術科の教育課程を発展させ、関連科目を充実させるとともに実技の研鑽を通じ、より高度な専門教育を行う2年間です。本学の音楽専攻卒業生または同等の能力があると認められる者を対象に、徹底した個人レッスンをはじめ、アンサンブル、室内楽、歌曲研究、音楽療法など、専門分野の能力を深める科目が揃っています。また、2017年度より、チェンバロ専修が増設されました。さらに本専攻科を修了した後も、なお研鑽を積もうと希望する学生には、研究生制度が用意されています。
※2018年度より学位授与機構認定専攻科となりました。所定単位を修得し、同機構の審査に合格することで、四年制大学を卒業した場合と同じ「学士」の学位が取得できます。
教育目標・3つの方針
教育目標
専攻科音楽専攻は、学科の教育課程の上に立って、専門領域を体系的・系統的に学び、現在の高度化した音楽界の実情に対応できる知識と技術を獲得することを目的とする。演奏家、指導者を育成すると共に、音楽療法、アウトリーチの実践を通し、社会において教育、福祉等様々な分野で活躍し得る有為の人材を育成することを目標としている。
ディプロマ・ポリシー
実践力・応用力を備え、広く音楽分野で活躍できる人材になるため、専攻科の教育課程の学修を通して科目の単位を修得し、専攻の定める修了の要件を満たした者に修了証書を授与する。
カリキュラム・ポリシー
専攻科は、芸術科音楽専攻の2年間の教育課程の上に立って、演奏家、指導者を育成すると共に、音楽療法、アウトリーチの実践を通し、社会において教育、福祉等様々な分野で活躍し得る有為の人材を育成することを目標としている。そのため以下の三項目を軸として2年間の専攻課程を組んで具体化していく。
1 | 音楽の理論と歴史 音楽を中心とした芸術の理論と歴史を発展的に学び、楽曲に込められた意味を体系的に分析する能力、また作曲された時代の歴史的背景を読み取り演奏に活かす力を養う。 |
2 | 演奏表現 個人レッスンを中心に、時代に即した演奏表現、技術力を身につける。 |
3 | アンサンブル ジャンルにとらわれない多種多様なコラボレーションに柔軟に応じることができる能力を獲得する。 |
アドミッション・ポリシー
1 | 専門実技、音楽理論においての基礎的な知識と理解力があり、さらにそれを発展させようという意欲を持つ者(知識・理解) |
2 | 演奏表現、音楽史等を多面的に考察し、積極的に学ぶ意欲を持つ者(思考・判断) |
3 | 芸術のみならず社会の諸事情に関心を有し、音楽を通して社会に参加し、貢献する意欲を持つ者(関心・意欲) |
4 | 専門実技、アンサンブル等を通し他者と積極的に関わり、その中でも主体性をもって意欲的に学ぶ態度を有する者(態度) |
5 | プロフェッショナルな演奏家、指導者を目指し、その技能習得に要する理解力と表現力を有する者(技能・表現) |
PICK UP 授業
ピアノデュオ研究
ピアノ・アンサンブルの基本を身につける
連弾と2台のピアノのための作品を通して、ピアノ・アンサンブルの基本を学びます。授業は、学生がチームを組んでデュオ演奏しますが、それを公開レッスン形式に進めることでより実践的に行います。
連弾と2台のピアノのための作品を通して、ピアノ・アンサンブルの基本を学びます。授業は、学生がチームを組んでデュオ演奏しますが、それを公開レッスン形式に進めることでより実践的に行います。
オペラ実習
舞台制作の過程を経験する
授業は、演劇専攻の教員を含め、「演奏」「演技」「上演」の3段階に分けて1年間行われます。受講生は徹底した訓練のなか、舞台が創られていく過程をひとつずつ経験することになり、その成果は「オペラ実習試演会」で披露されます。
授業は、演劇専攻の教員を含め、「演奏」「演技」「上演」の3段階に分けて1年間行われます。受講生は徹底した訓練のなか、舞台が創られていく過程をひとつずつ経験することになり、その成果は「オペラ実習試演会」で披露されます。
アウトリーチ研究
聴衆と感動を共有できる演奏会を
従来の鑑賞型の演奏会だけではなく、「演奏+α」(楽器体験、ワークショップなど)を追求し、奏者と聴き手が一体となれるプログラム、コンサートを創り出していきます。企画・構成から本番での聴き手とのコミュニケーションまで、実践的に学びます。
従来の鑑賞型の演奏会だけではなく、「演奏+α」(楽器体験、ワークショップなど)を追求し、奏者と聴き手が一体となれるプログラム、コンサートを創り出していきます。企画・構成から本番での聴き手とのコミュニケーションまで、実践的に学びます。
歌曲研究
言葉と音楽の融合を探る
「歌曲」というと声楽とピアノでの演奏が基本ですが、この授業では、本学の特徴を活かし、箏やギターの伴奏による歌曲や、フルートやヴァイオリン等の楽器が加わった作品も幅広く取り上げ、言葉につけられた音の世界を学んでいきます。
「歌曲」というと声楽とピアノでの演奏が基本ですが、この授業では、本学の特徴を活かし、箏やギターの伴奏による歌曲や、フルートやヴァイオリン等の楽器が加わった作品も幅広く取り上げ、言葉につけられた音の世界を学んでいきます。
カリキュラム
専門科目一覧
作曲・音楽理論
- 音楽理論[和声]
- 楽曲分析[古典派]
- 楽曲分析[ロマン派以降]
- 楽曲分析[編曲]
- 楽曲分析[創作]
- コード論
- S.H.M.
- 日本音楽理論
音楽史
- 音楽史研究
- 日本音楽史研究
音楽教育
- 音楽療法概説
- 音楽療法演習
- 音楽療法実習
- 演奏現場論
- アウトリーチ研究
室内楽・アンサンブル
- ピアノデュオ研究
- 伴奏
- 伴奏研究
- 歌曲研究
- オペラ実習
- 管楽アンサンブル研究
- 室内楽研究
- 室内楽特設クラス
- オーケストラ・スタディ
- 合奏
- ギター・アンサンブル
- 邦楽アンサンブル研究
演奏・実技レッスン
- 第一実技
- 第二実技
- 副科実技
- 学内演奏
特別科目
- 海外特別演習
- 特別演習
- 特別講義(音楽)
- コラボレイト実習
教養科目
芸術家として生きていくためには、演奏や演技の技術だけでは通用しません。桐朋では、現代社会で活躍するために、二つの専攻の枠を超えて、キャリア教育、一般教養、語学という3つの区分で、これからの情報社会、国際社会に通用する教養を体系的に学びます。
Students' voices
黒子 暁和さん
~コンクールに挑戦しプロの演奏家の道へ~
これまで築いてきた基礎をもとに、歌曲研究やオペラ実習などのより実践的な授業が用意されています。多くの先生から表現方法を学べるので、技術とともに演奏そのものに自信がついてきました。第27回ブルクハルト国際音楽コンクールでは審査員賞をいただきました。今後も多くのコンクールにチャレンジしたいです。
これまで築いてきた基礎をもとに、歌曲研究やオペラ実習などのより実践的な授業が用意されています。多くの先生から表現方法を学べるので、技術とともに演奏そのものに自信がついてきました。第27回ブルクハルト国際音楽コンクールでは審査員賞をいただきました。今後も多くのコンクールにチャレンジしたいです。
伊藤 順子さん
~音楽療法士としてさらに音楽の力を身につけたい~
約10年前に音楽療法士の資格を取り、より良い演奏をクライアントに聴かせたいと、仕事を続けながら音楽を学び直しています。専攻科では演習が多く、ソロやアンサンブルなどのそれぞれで人前で演奏する機会が増えるため、”人に伝える力”が鍛えられます。今後は音楽療法以外に、仲間とのグループ活動も考えていきたいです。
約10年前に音楽療法士の資格を取り、より良い演奏をクライアントに聴かせたいと、仕事を続けながら音楽を学び直しています。専攻科では演習が多く、ソロやアンサンブルなどのそれぞれで人前で演奏する機会が増えるため、”人に伝える力”が鍛えられます。今後は音楽療法以外に、仲間とのグループ活動も考えていきたいです。
有馬 美梨さん
~ここでしか学べない二十五絃箏を究めたい~
箏を学びたいと本科に入学。大学ではここでしか学べない二十五絃箏と出会ったことが転機となりました。演奏は難しいのですが、それ以上に弾く楽しみがあります。十三絃、十七絃、二十五絃それぞれの箏を弾きこなせる演奏者となるために、まずは専攻科で学び学士を取得して、さらに高みをめざして大学院への進学を考えています。
箏を学びたいと本科に入学。大学ではここでしか学べない二十五絃箏と出会ったことが転機となりました。演奏は難しいのですが、それ以上に弾く楽しみがあります。十三絃、十七絃、二十五絃それぞれの箏を弾きこなせる演奏者となるために、まずは専攻科で学び学士を取得して、さらに高みをめざして大学院への進学を考えています。
坂根 美瑛さん
~専攻科で音楽に漬かりながら教員免許も学位取得も~
本科では主科のフルートに集中して学び、専攻科でさらに技術を磨き、教職課程と学位取得に向けての履修もしました。忙しかったけれど、自身がついて就活の視野も広がりました。卒業後は放課後デイサービスで障がいのある子どもたちのお世話をすることに。生の楽器の音で、彼らに音楽のすばらしさを伝えていきたいです。
本科では主科のフルートに集中して学び、専攻科でさらに技術を磨き、教職課程と学位取得に向けての履修もしました。忙しかったけれど、自身がついて就活の視野も広がりました。卒業後は放課後デイサービスで障がいのある子どもたちのお世話をすることに。生の楽器の音で、彼らに音楽のすばらしさを伝えていきたいです。