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大学案内

2013年度 第2号 永井由比


2013年7月23日 火曜日
音楽専攻/永井 由比(常勤講師)

管楽器専修20年の歩み

音楽専攻の管楽器専修は今年度で創設20年を迎えます。
私は管楽器専修の第四期生として桐朋学園大学短期大学部(現 芸術短期大学)に入学しました。
入学のきっかけは中学時代より尊敬申し上げていました恩師、野口龍先生が桐朋短大で教鞭をとっておられたからです。

私の期(34期)は学年で60名ちょっとの人数で、クラスメイト同士、専任の先生方の顔もすぐに覚えることができ、わきあいあいとしながらも皆音楽が好きで上手くなるために練習室の取り合いをしながら一丸となって努力していたことが昨日のことのように思い出されます。
2年時には室内楽のクラスを3クラスすべて履修し、管楽アンサンブルを含めて4つの実技系授業、副科ピアノ、第二実技の声楽を含めて毎日何かしらの実技の授業やレッスンがあり、今現在と同じく、まさに少人数教育の素晴らしさを享受していた日々でした。

さて、音楽大学の根幹である実技レッスンについてですが、野口龍先生のレッスンは、基礎的なことも含めて、音楽の1番大事な根本のところから少しずつ、しかし妥協を許さずしっかりと構築してくださるレッスンで、常に真摯に、真剣にレッスンをしてくださる先生と、それに少しでも応えたい、近づきたいという学生のまさに真剣勝負の日々でした。
私は少しでも先生に近づきたい一心で、毎日のように先生のまわりをうろちょろしていたので先生も迷惑だったのでは!と今さらながら思います。

管楽器専修の1番の特徴は、野口先生のお考えにより、実技試験の制限時間が無い事でした。
せっかくの試験で、曲をカットしたりソナタや協奏曲1楽章だけでは学生がかわいそうという事、特にソナタや協奏曲など、一曲すべてを演奏することで「音楽」をつかみとってほしいとの野口先生のお考えでした。
そのおかげで、学生たちは中間の勉強したい曲をカットすることなく全楽章演奏することができました。
試験では、ある時は3人で1時間ということもままあったので、審査する先生方はとても大変だったと思います(途中から私もその一員になりその大変さが身に染みてよくわかりました)。

野口龍先生はじめ実技担当の先生方のご尽力と少人数教育の成果も相まって、管楽器専修は創設20年という短い歴史にも関わらず、コンクールやオーディションでの入賞、オーケストラとの協奏曲の共演等の演奏活動、また音楽の教員、楽器店での講師として教育、普及活動など様々な分野で活躍しております。

私は現在、実技レッスンのほか、管楽アンサンブル、アウトリーチ概説、演習の授業を担当しておりますが、履修者全員に目が行き届く人数なので、学生たちの様子が手に取るように把握できます。
学生たちの熱心なまなざしや意欲は時として私の想像を超えることがあり、私自身もそれに備えてますます勉強をしていくという切磋琢磨の日が続いております。
桐朋学園芸術短期大学の少人数教育の素晴らしさ、音楽専攻のスピリッツを受け継ぎ、一層精進して日々を過ごしていきたいと思います。

永井 由比(フルート奏者)プロフィール

桐朋学園大学短期大学部音楽専攻研究生修了。東京音楽コンクール、現代音楽演奏コンクール等入賞。現代音楽分野で活発に活動する他、音楽アウトリーチ、ワークショップ活動も専門としている。(財)地域創造公共ホール音楽活性化事業支援アーティスト。

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