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大学案内

2013年度 第6号 本條秀慈郎


2013年9月3日 火曜日
音楽専攻/本條秀慈郎(非常勤講師)

「今」

写真:8月24日オープンキャンパス
ワークショップ風景

僕は桐朋学園大学短期大学部(現:桐朋学園芸術短期大学)芸術科音楽専攻日本音楽専修の2期生として入学し、現在は本学の非常勤講師、三味線演奏家として歩み始めています。右も左もわからず只々三味線を弾きたいという思いで大学に飛び込んだ僕ですが、幾度となく挫けそうになりながらも桐朋の先生方に救いの手を差し伸べられ今日に至ります。時には怒られ(未だに)時には励まして(未だに)くださり、そういう環境の中で自然とプロになる思いが育ってゆきました。

「今」を考える時、どうしても常に去来するものは、この世界で生きていくためのしきたりや仕組みの中での自分を考えるという事です。それは本当に僕にとって苦しいことでした。ただ好きという思いで突き進んできた事とは中々結びつくものではないと感じています。さらに小さい頃から音楽の専門的な環境にいたわけではなかった僕は、この社会の流れに振り落とされる恐怖心の様なものだけにとらわれていました。

写真:8月24日オープンキャンパス
ワークショップのひとコマ

このような中でとりわけ新しいことに挑戦するのは、並大抵のことではありません。芸術を志すものにとってはやはり当たり前の欲求として人とは違うオリジナルティーな世界を考えます。
新しいこと世界を開くということは『出る杭は打たれる』の意で、相当の覚悟と勇気が無くてはなりません。自分の事だけでなく周りへの気配り、人間としての成長の上に成り立ち、色々な方の後押しがあって存在するもので、多分それはいつの時代も変わらないことなのでしょう。

「今」、上記のようなことに悩む若い世代は僕だけでなく多い傾向にあると思います。自信を持てずに、また考える事さえ捨ててしまう。
しかし「今」そのメンタルだけでなく実際の突破口といえるのが桐朋学園芸術短期大学です。新しい創造を確立し、各界に大きな衝撃を与える先生方が布陣をつくられています。その姿に学生は感動し、励まされ大きな心の支えを手に入れるのです。そしてそれぞれにチャンスが与えられ、表現するものとして、人間として成長するのです。僕自身先生方に今もなお多大なチャンスを頂いています。そしてもっとも大事なこと、何事にも感謝する心が備わり、ハングリー精神が心を満たします。

先日のオープンキャンパスでは初のワークショップを担当させて頂き、気づけば予定時間の一時間を超えていました。そこには受講者の熱心な質問、取り組みに触発されている自分がいて、新しい自分、新しい世界を求めている眼差しは自分を写す鏡のようです。この相互作用は「今」もっとも熱い現場であるしるしです。流行語である言葉「今でしょ!」は今まさに自分を見つけたいと思う人を奮い立たせる言葉です。

本條秀慈郎(三味線奏者)プロフィール

本條秀太郎に師事し俚奏楽本條秀慈郎の名を許される。桐朋学園大学短期大学部音楽専攻(現桐朋学園芸術短期大学)に入学、同専攻科、研究生修了。在学中 杵屋 勝芳壽師 本條 秀太郎師に師事。第二回東京邦楽コンクール第1位受賞。主に現代音楽を専門とし国内外で活動を続ける。

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