2013年度 第11号 志賀廣太郎
2013年12月19日 木曜日
演劇専攻/志賀廣太郎(非常勤講師)
演劇専攻/志賀廣太郎(非常勤講師)
専攻科生(桐朋3、4年目の学生)対象の「演劇特別研究」という授業を受け持っています。授業の内容は、「創作」がメインです。既成の戯曲を選び、その一部分に創作部分を付け足していくところから始め、一から創作し、最終的には15~20分程度の作品に仕上げます。
場所を設定して、登場人物、事件や背景を決め、プロットを考え、科白を作り、といったプロセスを踏んでいきます。その際大事なことは「テーマを予め設定しない」という点です。テーマに縛られると、テーマに即した言葉でしか話が展開しない傾向があります。それでも、結果的に出来上がった作品から、何かテーマらしきものが浮かんでくるものです。
場所を設定して、登場人物、事件や背景を決め、プロットを考え、科白を作り、といったプロセスを踏んでいきます。その際大事なことは「テーマを予め設定しない」という点です。テーマに縛られると、テーマに即した言葉でしか話が展開しない傾向があります。それでも、結果的に出来上がった作品から、何かテーマらしきものが浮かんでくるものです。
俳優(正確に言えばまだ学生ですが)が一つの作品を共同で創ることによって、戯曲、演出、演技という役割を理解していくという点と、話し合うことによって、他者を発見したり、自身を見つめたり、つまり「コミュニケーションとは」を考えてもらう、「創作」にはそういう狙いがあります。私が学生だったとき、能の先生からよく言われたことがあります。「自分がどういう時代に生きているのか、その実感がなければ芝居なんかできない。それは古典芸能の役者だろうが、現代劇の俳優だろうが同じだ」と。このことに目を開いてほしいとも思っています。
授業や試演会、ワークショップなどを通して今の学生を見ると、意外に考えていることの幅が広いと思います。ただ、一つ事に深い理解を持っているかというと、その点はちょっと弱いという気がしています。それと世の中の動向にもう少し目を向けて欲しいです。
とは言え、演劇界を見れば、どんどん新しい才能が登場してきて、しかもその多くが二十歳代という若さです。同年代の学生たちも、あるきっかけで大きく変化する可能性を持っていることは言うまでもなく、私たちにできることは、その後押しをしてあげることではないでしょうか。
授業や試演会、ワークショップなどを通して今の学生を見ると、意外に考えていることの幅が広いと思います。ただ、一つ事に深い理解を持っているかというと、その点はちょっと弱いという気がしています。それと世の中の動向にもう少し目を向けて欲しいです。
とは言え、演劇界を見れば、どんどん新しい才能が登場してきて、しかもその多くが二十歳代という若さです。同年代の学生たちも、あるきっかけで大きく変化する可能性を持っていることは言うまでもなく、私たちにできることは、その後押しをしてあげることではないでしょうか。
志賀廣太郎(俳優)プロフィール
本学演劇専攻2期卒業生。1978年より本学芸術科演劇専攻で非常勤講師をつとめ、現在に至る。1990年より劇団「青年団」にて劇団員として活躍中。ドラマ『アンフェア』『南極大陸』『半沢直樹』他多数、その他CM、映画などにも多数出演。